住友生命が源泉所得税の徴収漏れで14.9億円を追徴された、というニュースが出ていました。
内容としては、海外の投資家に社債利子を支払う際に20.42%を源泉徴収する必要があるところ、これができていなかったというものです。
事前に一定の手続きをしておけば、非課税になりますが、その手続きもされていませんでした。
今回の事例は2023年ですが、2018年には三井住友信託銀行が同様の指摘を受け、18億円を追徴されています。
銀行側は「書類提出は形式的な事務手続きに過ぎず、重要性がない」と最高裁まで争いましたが、敗訴しています。
書類1枚のことで10億円以上の追徴は酷な気もしますが、国としては非課税の手続きがされていない以上は当然追徴します、ということになります。
源泉所得税の怖いところは1日でも遅れると、不納付加算税が10%かかる点や相手先に請求できず、支払った側で被らないといけない点です。
源泉徴収は受け取った側が払うべき税金を、支払う側が天引きする仕組みで、本来は損も得もない「仮払い」のようなものです。
ところが天引きしなかったものを何年も経ってから受け取った側に請求することはできないため、結果的には支払った側が負担せざるを得ません。
中小企業では海外投資家に巨額の社債利子を支払うようなことはまずありませんが、源泉所得税に関しては同じように注意が必要です。
例えば、デザイン料や業務委託費の支払いをする場合、海外なら20.42%、国内なら10.21%の源泉所得税を天引きすべきケースがあります。
これが毎月の支払いで3年分を調査で指摘されたとなるとそれなりの大きな金額になります。
支払う際に源泉徴収が漏れないよう、契約や請求の段階で情報収集して、源泉徴収の要否を慎重に検討する必要があります。


